2月消費統計

個人消費の大幅増加が続く

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2013年03月29日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆実質消費支出は前年比+0.8%と2ヶ月連続のプラスとなった。季節調整値で見ても前月比+2.2%と2ヶ月連続の増加、振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ると、同+1.5%と3ヶ月連続の増加となった。昨年がうるう年であったにもかかわらず消費金額は前年比で増加しており、供給側の統計である小売販売金額も増加が続いている。消費者マインドも高水準での推移が続いており、2月の個人消費は前月に引き続き大幅な改善となった。


◆実質消費支出の動きを項目別に見ると、「交通・通信」が前月比+13.9%、「被服及び履物」が同+6.8%、「教養娯楽」が同+2.7%と増加し、消費全体の増加をけん引した。「光熱・水道」以外の品目全てで実質消費は増加しており、個人消費は全体として改善が続いている。


◆2月の個人消費は前月に引き続き大幅な改善となった。その要因は消費性向の上昇であり、消費者マインドの改善が消費を押し上げている構造になっており、今後は、マインドの改善による消費増から、所得増加による消費増へとスムーズなバトンタッチが行われるかどうかが焦点となる。足下では生産の動向に持ち直しの兆しがみられており、企業活動は活発化が見込まれることから、所得環境は改善し、個人消費についても堅調な推移が続くとみている。

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