12月貿易統計

輸出に下げ止まりの兆し

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2013年01月24日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2012年12月の貿易統計では、輸出金額は前年比▲5.8%となり、市場コンセンサス(同▲4.2%)を下回った。ただし、輸出金額の季節調整値は前月比+2.4%と2ヶ月連続の増加となっており、これまで減少傾向が続いてきた輸出に下げ止まりの兆しがみられている。


◆12月の輸入金額は、前年比+1.9%と2ヶ月連続で前年を上回った。輸入数量は前年比0.0%であったが、円安によって輸入価格が同+1.8%と2ヶ月連続で上昇したことが輸入金額を押し上げた。この結果、貿易収支は▲6,415億円と6ヶ月連続の赤字(季節調整値は▲8,007億円、22ヶ月連続の赤字)となった。


◆当月の貿易統計を受けてGDPベースの輸出入を暫定的に推計したところ、2012年10-12月期は、実質輸出、実質輸入ともに前期比減少となり、外需寄与度は▲0.2%ptとなる見込みである。


◆輸出の先行きに関しては、2012年10-12月期を底に回復傾向となる見込みである。景気停滞が続く欧州向けが当面低調に推移する見込みだが、緩やかな景気拡大が続く米国向けと、このところ景気の底打ちがみられるアジア向けの増加が牽引役になる見込み。

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