サマリー
◆2012年12月の貿易統計では、輸出金額は前年比▲5.8%となり、市場コンセンサス(同▲4.2%)を下回った。ただし、輸出金額の季節調整値は前月比+2.4%と2ヶ月連続の増加となっており、これまで減少傾向が続いてきた輸出に下げ止まりの兆しがみられている。
◆12月の輸入金額は、前年比+1.9%と2ヶ月連続で前年を上回った。輸入数量は前年比0.0%であったが、円安によって輸入価格が同+1.8%と2ヶ月連続で上昇したことが輸入金額を押し上げた。この結果、貿易収支は▲6,415億円と6ヶ月連続の赤字(季節調整値は▲8,007億円、22ヶ月連続の赤字)となった。
◆当月の貿易統計を受けてGDPベースの輸出入を暫定的に推計したところ、2012年10-12月期は、実質輸出、実質輸入ともに前期比減少となり、外需寄与度は▲0.2%ptとなる見込みである。
◆輸出の先行きに関しては、2012年10-12月期を底に回復傾向となる見込みである。景気停滞が続く欧州向けが当面低調に推移する見込みだが、緩やかな景気拡大が続く米国向けと、このところ景気の底打ちがみられるアジア向けの増加が牽引役になる見込み。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
消費データブック(2025/5/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年05月02日
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
-
2025年3月鉱工業生産
自動車工業や電気・情報通信機械工業など10業種が前月から低下
2025年04月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日