11月鉱工業生産

足下の生産は下振れしたが、計画は強気

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2012年12月28日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2012年11月の生産指数は、前月比▲1.7%と2ヶ月ぶりの低下となり、市場コンセンサス(同▲0.5%)を下回った。また、出荷指数は前月比▲1.1%と低下したものの、在庫指数が同▲1.2%と低下したことから、在庫率指数は同▲0.3%と2ヶ月連続の低下となった。


◆製造工業生産予測調査によると、2012年12月の生産計画は前月比+6.7%と大幅に増加した後、2013年1月も同+2.4%と2ヶ月連続の増加を見込んでいる。12月に関しては足下で増産傾向が続いている電子部品・デバイス工業が大幅な増加を見込んでいることに加えて、輸送機械工業、情報通信機械工業の増加が全体を押し上げる見込み。1月に関しては電子部品・デバイス工業の生産は減少に転じる見込みだが、輸送機械工業、情報通信機械工業の増加が引き続き生産を押し上げる格好となっている。素材系業種でも、12月、1月は総じて生産の増加を見込んでおり、生産計画は全体的に強気の内容となっている。


◆生産と連動性の高い輸出数量は依然悪化傾向が続いているものの、中国以外のアジア向けでは改善の兆しがみられること、減少が続く中国向け輸出に関しても、中国景気の持ち直しを受けて改善に向かう公算が大きいことから、輸出向け出荷は徐々に増加に転じると考えている。また、国内自動車販売の底打ちにより、他産業への波及効果が大きい輸送機械の生産も増加基調となる見込みであることから、生産は年明け以降回復に向かう公算が大きい。

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