6月CPI~物価の下落幅が拡大

背景にはエネルギー価格の下落。物価は緩やかな下落基調。

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2012年07月27日

サマリー

物価は緩やかな下落基調:2012年6月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比▲0.2%となり、市場コンセンサス(同▲0.0%)を下回った。季節調整値でみても、全国コアCPIは前月比▲0.3%、全国コアコアCPIは同▲0.1%と、それぞれ2ヶ月連続で下落。基調を確認するために、3ヶ月移動平均で見ても、全国コアCPI(季調)は前月比▲0.2%と2ヶ月連続で下落している。全国コアCPI季節調整値の水準を見ると、2ヶ月連続で低下しており、足元の6月には2010年9月の水準まで落ち込んでいる。物価は緩やかな下落基調にあると言える。

財・サービス別動向:原油価格の下落によりエネルギーの押し上げ幅が縮小した。ガソリンは、前年比で31ヶ月ぶりに下落、灯油も30ヶ月ぶりに下落し、それぞれ寄与度はマイナスとなった。その結果、非耐久財のプラス寄与度は約▲0.1%pt縮小した。全国コアCPIの前年比の伸びが、前月から低下した主因はこの点にある。

今後の見通し:東京都区部の動きから、7月の全国コアCPIは前年比▲0.2%程度になると予想している。国際的な原油価格の下落が遅行して影響し、エネルギーの押し上げ寄与は今後、縮小していくものと考えられる。それとは逆に、米国で生じた干ばつの影響で、小麦、大豆、トウモロコシなどの穀物の国際価格が上昇していることから、今後物価への影響に注視したい。

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