サマリー
◆【概況】輸出金額と輸入金額がともに減少:2012年6月の貿易統計は、輸入金額の伸びがマイナスに転じて貿易黒字となったことをポジティブに評価できる一方で、海外経済減速の影響が顕在化して輸出の先行きに不透明感が一段と強まるなど、明暗が混在する内容であった。6月の輸出金額は前年比▲2.3%と市場コンセンサスを小幅に上回ったものの、4ヶ月振りのマイナスとなった。6月の輸入金額は、前年比▲2.2%と30ヶ月振りの減少となった。貿易収支は+617億円と4ヶ月振りの黒字になった。ただし、貿易収支の季節調整値をみると、▲3,008億円と赤字基調が継続している点には留意したい。
◆【地域・商品別動向(名目)】対EU貿易収支が2ヶ月連続の赤字:主要商品別にみると、輸出が増加した業種では、「輸送用機器」が前年比+13.2%と5ヶ月連続で増加した。欧州債務問題の影響で欧州向けが大きく減少した一方で、米国向けとASEAN向けが好調を維持したことや、昨年の東日本大震災後の落ち込みからの反動増がプラス方向に作用した。他方、減少した業種では「化学製品」や「一般機械」が注目される。主要国・地域別の輸出金額は、米国向けが前年比+15.1%、EU向けが同▲21.3%、アジア向けが同▲4.4%となった。
◆【今後の見通し】輸出の下振れリスクに注意:輸出は、しばらく横ばい圏で推移すると考えている。当社の基本シナリオでは、欧州債務問題が一段と深刻化しなければ、輸出は腰折れせずに徐々に持ち直していくことを見込んでいる。しかし、欧州債務問題の再燃を起因にして海外経済の不確実性が増しているため、輸出の下振れリスクが前月より高まっている。当社は、輸出が横ばい圏で推移して、輸入水準も高い状況が続く結果、貿易収支が黒字基調に転じるには、もうしばらく時間を要すると考えている。
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