5月消費統計~消費は緩やかな改善傾向にある

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2012年06月29日

  • 齋藤 勉

サマリー

個人消費は緩やかな改善傾向にある: 2012年5月の家計調査によると、実質消費支出は前年比+4.0%と4ヶ月連続のプラスとなった。2011年5月は、東日本大震災による供給制約や消費者マインドの悪化の影響から消費の落ち込みが続いており、その反動が出ている点を考慮する必要がある。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見れば、季節調整済み前月比▲0.3%と2ヶ月ぶりに減少している。5月は、ルームエアコンの買い替えや、旅行支出などが消費を押し上げた一方で、衣料品消費が低調であったことや自動車消費の伸びに一服感が見られたことから、全体としては横ばいでの推移となった。

先行きも緩やかに改善が続くと見込む: 先行きも、消費は緩やかに改善が続くと見込んでいる。所得環境と消費者マインドの改善から、高額品消費などが改善する中、消費は幅広い品目で持ち直していくだろう。夏場以降エコカー補助金の予算切れによる反動減が予想されるが、消費の落ち込みは一時的なものになるとみている。

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