サマリー
◆7月2日に公表予定の2012年6月の日銀短観において、大企業・製造業の「業況判断DI(最近)」は▲5%pt(前回調査比▲1pt)と2四半期振りの悪化を予想する。海外経済の減速感が強まっていることに加えて、5月のギリシャ総選挙の結果に起因した欧州債務問題が再燃している。業種別では「自動車」の動向が注目される。大企業・非製造業の「業況判断DI(最近)」は+7%pt(前回調査比+2pt)と、4四半期連続の改善を予想する。
◆2012年度の設備投資計画(全規模・全産業)は前年比+1.6%と堅調な伸びを予想する。通常、6月短観の設備投資計画は、中小企業を中心に上方修正されるという「統計上のクセ」があり、今回も例年並みの修正パターンを想定した。東日本大震災に伴う復興需要が顕在化し始めていること、機械受注統計の民需(船舶、電力を除く)の4-6月期見通しが堅調であったことを鑑みると、設備投資は今度も緩やかに回復傾向を続けると考えている。
◆2012年6月短観の主な注目ポイントは、(1)欧州債務問題と海外経済減速の影響、(2)エコカー補助金の効果剥落、(3)東日本大震災に伴う復興需要の効果、の3点である。
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