3月消費統計~持ち直し基調の中で一時的に足踏み

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2012年04月27日

  • 齋藤 勉

サマリー

個人消費は持ち直しの動きが続く 2012年3月の家計調査によると、実質消費支出は前年比+3.4%と2ヶ月連続のプラスとなった。ただし、2011年3月は、東日本大震災による供給制約や消費者マインドの悪化の影響から、消費額が大きく落ち込んでおり、その反動が出ている点を考慮する必要がある。振れの大きい住居や自動車などを除いた消費支出(除く住居等)で見れば、季節調整済み前月比▲0.5%と4ヶ月ぶりに減少している。天候要因や前月からの反動で消費額は足踏みしたが、一時的な要因を除けば概ね堅調な動きである。供給側の統計や雇用環境、マインドなども併せて判断すると、消費の基調は持ち直しが続いていると言える。

消費は先行き持ち直しが続くと見込む 先行きも、消費は持ち直しが続くと見込んでいる。海外経済は、未だに大きなリスクを抱えてはいるものの、足下の経済環境は落ち着いている。また、東日本大震災から一年が経過し、多くの企業では業績が回復傾向にある。企業業績の改善は徐々に雇用・所得環境の改善へ波及していくと思われる。エコカー補助金の影響による自動車消費の拡大や、エコポイント関連消費の持ち直し、外食、旅行消費などが改善する中、消費は幅広い品目で持ち直していくだろう。

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