サマリー
◆エネルギー価格、銘柄変更の影響で2ヶ月連続のプラス:2012年3月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.2%となり、市場コンセンサス(+0.1%)を若干上回った。これは主に、原油の国際市況上昇を背景にエネルギーの押し上げ幅が拡大したことにより、非耐久財の寄与度が上昇したことに起因する。しかし、1月と2月の耐久財銘柄変更の影響を除くと、全国コアCPIは前年比▲0.2%程度となり、物価の基調は引き続き弱い。
◆今後の見通し:東京都区部の動きから、4月の全国コアCPIは前年比+0.2%程度になると予想している。4月中旬からは、原油価格に落ち着きが見られている。従って、前年比でみた、エネルギー価格による物価の押し上げ圧力は今後、それほど大きくはならないと考えられる。他方、銘柄の変更という特殊要因により、全国コアCPIは前年比でゼロ%付近のプラス圏内で推移するだろう。ただし、物価が上昇基調となるまでには需給の改善を待つ必要があることから、物価は当面、ほぼ横ばいでの推移になると考えられる。
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