サマリー
◆テレビの調査銘柄変更でプラスに転じるが、物価基調は弱い:2012年2月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.1%となり、コンセンサスを上回る結果となった。この背景には、小売物価統計調査のテレビ品目に対象基本銘柄の変更があった影響がある。1月のルームエアコン銘柄変更による影響に続き、2月の物価統計も割り引いてみる必要がある。
◆今後の見通し:3月の全国コアCPIは前年比+0.2%程度になると予想している。緊迫感が残るイラン情勢や、先進国の金融緩和による商品市場への投機資金流入により、原油価格が上昇していることが背景にある。従って、全国コアCPIには、エネルギー価格の押し上げによる寄与が大きく出ると考えられる。
◆家計消費への影響に注視:商品価格の上昇は、家計の購買力を低下させる。これは、デフレ脱却を見通す上で、ボトルネックとなると考えられる。国際商品市況がCPIを経由して家計消費に及ぼす影響に注視したい。金融政策に関しては、少なくとも、2014年度いっぱい政策金利が据え置かれるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
-
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
-
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日