中国:国内資金需給ひっ迫により外債発行が急増

当局が進めるレバレッジ縮小政策の影響

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2018年01月24日

  • 経済調査部 研究員 中田 理惠

サマリー

◆2017年7-9月期の中国国際収支統計によると、金融収支(外貨準備を除く)は3四半期連続の流入超となった。

◆国内資本の流出は規制強化等の影響もあり低水準に留まった。一方で、海外資本は債券投資の急増を背景に大幅な流入超となった。

◆この背景には①中国当局によるレバレッジ縮小政策の結果として国内の資金需給がひっ迫し中国企業による外債発行が増加したこと 、②海外投資家が香港を経由して中国本土内の債券市場に投資できるサービスであるボンドコネクト(中国語では債券通)の開始等により海外投資家による債券購入が増加したことの2つがある。

◆人民元は対ドルで上昇基調、金利も高水準にあるため、昨年よりも資金流出圧力は弱まっていると考えられるが、当局は引き続き資本流出への規制を継続している。

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