2024年08月08日
サマリー
◆日本の上場企業における個人株主数は増加し続けている。一方で、個人株主1人当たりの平均株式保有金額(市況の影響を調整したもの)は徐々に縮小していることから、小口の株主層が広がっている可能性がある。
◆個人株主の増加に重きを置いた施策として、株式分割と株主優待を取り上げる。株式分割により個人株主数が増加する、との指摘は多く、事実として2023年度は、株式分割実施企業による延べ個人株主数の押し上げ効果が大きかった。一方、株主優待の導入も個人株主数を増加させると考えられるが、直近では導入企業と廃止企業がともに多く、企業によりその判断が分かれている。
◆個人株主の増加によって、企業には様々なベネフィットとコストがもたらされる。また、個人株主の議決権行使率が上昇傾向にあるなど、個人株主の意識改革が進んでいる点も重要だ。新NISAが始まるなど個人株主が増加しやすい状況にある現在は、企業にとって個人株主がいかなる存在であるのかを再考する良いタイミングだといえるだろう。
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