2023年07月26日
サマリー
◆東京証券取引所が投資単位の高い上場企業に株式分割を促していることなどを背景に、株式分割への注目度は高まっている。このもとで、株式分割に伴って生じ得る各種影響を勘案しながら、実施の是非などを慎重に検討する企業も少なくない。本レポートでは、株式分割が株価や株主数、流動性に与える影響を定量的に分析することで、これらの企業にとっての判断材料を提示する。
◆分析結果からは、株式分割の実施は、①発表後10営業日程度は株価が押し上げられるものの、その効果は徐々に弱まり、30営業日程度で消失、②株主数を平均的に約6%増加させる上、株価水準の低下(投資単位の低下)も株主数の増加を促す傾向、③売買高の増加や価格インパクトの低下といった流動性は改善する傾向、といった効果があることがうかがえる。
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