2024年03月06日
サマリー
◆足元では株主優待制度の廃止・新設がともに多くなっており、両者を比べると新設数がわずかに上回っている。また近年の特徴として、長期間株式を保有する株主向けの優待を導入する企業が増加傾向にある点が挙げられる。具体的には、長期保有株主に追加的な優待品を提供する(以下、「長期保有優遇」)例や、一定期間以上株式を保有することを優待品提供の条件とする(以下、「長期保有限定」)例がある。
◆2018年9月以降の5年間では、「もともと優待を行っていない企業が、長期保有優遇を導入する例」が多く、すでに通常の優待制度を導入している企業については、「通常の優待内容はそのまま、長期保有優遇を追加する例」が多かった。
◆もともと優待を行っていない企業が長期保有優遇付き優待などを導入した合、適時開示の翌日に株価は上昇する傾向にある。また、すでに通常の優待を導入している企業が長期保有優遇を追加する場合であっても、適時開示の翌日に株価は上昇した。前者は株主優待の新設自体に、後者は実質的な株主優待の拡充に反応した株価変動といえるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
近年の株主優待の実施動向と、廃止による株価下押し圧力の推計
公平な利益還元のため廃止する企業が多いが、廃止公表で株価は下落
2023年01月18日
-
優待内容から見る株主優待廃止企業の特徴
優待廃止企業は「非自社商品」を提供していたケースが多い
2023年03月08日
同じカテゴリの最新レポート
-
米国401(k)プランにおけるターゲット・デート・ファンド導入の効果
若年層の株式比率上昇に伴う資産拡大と株式直接投資への波及効果
2025年08月13日
-
ISSが取締役兼務数基準の導入を検討
取締役の兼務が多すぎる場合、選任議案に反対投票推奨へ
2025年07月31日
-
大和のクリプトナビ No.3 ビットコインのポートフォリオ組入れ効果
GPIFの基本ポートフォリオをもとにした検証
2025年06月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日