2023年03月01日
サマリー
◆プライム市場やスタンダード市場で多いPBR1倍割れ銘柄などを意識した開示(案)が東京証券取引所(東証)から公表された。開示の目的は、資本コストや株価を意識した経営の促進にある。
◆開示要請の対象はPBRが1倍割れしているか否かとは関係なく、プライム市場とスタンダード市場の全上場会社である。開示(案)では、「現状分析→計画策定・開示→取組の実行→現状分析→・・・」という一連のサイクルを回すことが示されており、進捗状況を毎年開示することが求められる。
◆資本コストや資本収益性と合わせて、市場評価である株価・時価総額・PBRなどについて現状の分析と評価の開示が必要になる。それに基づいて資本収益性や市場評価の改善に向けた具体的な取り組みを検討・策定する必要があるため、株価は市場が決めるものという今までの支配的な考え方から一歩踏み込んだ分析・評価をしていかなければならないだろう。
◆業績や今後の成長性対比で経営者の期待するように株価などが推移していなければ、常に原因を模索し、改善策を実施することが一層求められることになるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
CGコードでの現預金保有の検証に対する上場会社の懸念
一見対立しているようだが、通底する投資家と会社側の意見
2025年11月07日
-
非上場株式の発行・流通を活性化する方策
「スタートアップ企業等への成長資金供給等に関する懇談会」が報告書を公表
2025年10月29日
-
親子上場などに関する開示議論の再開
不十分な開示状況に対して、開示項目の記載必須化に向けた議論も
2025年10月27日

