資本コストや株価を意識した経営を求める東証

PBR1倍を意識した開示はプライム・スタンダード市場の全会社が対象

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サマリー

◆プライム市場やスタンダード市場で多いPBR1倍割れ銘柄などを意識した開示(案)が東京証券取引所(東証)から公表された。開示の目的は、資本コストや株価を意識した経営の促進にある。

◆開示要請の対象はPBRが1倍割れしているか否かとは関係なく、プライム市場とスタンダード市場の全上場会社である。開示(案)では、「現状分析→計画策定・開示→取組の実行→現状分析→・・・」という一連のサイクルを回すことが示されており、進捗状況を毎年開示することが求められる。

◆資本コストや資本収益性と合わせて、市場評価である株価・時価総額・PBRなどについて現状の分析と評価の開示が必要になる。それに基づいて資本収益性や市場評価の改善に向けた具体的な取り組みを検討・策定する必要があるため、株価は市場が決めるものという今までの支配的な考え方から一歩踏み込んだ分析・評価をしていかなければならないだろう。

◆業績や今後の成長性対比で経営者の期待するように株価などが推移していなければ、常に原因を模索し、改善策を実施することが一層求められることになるだろう。

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