2020年03月27日
サマリー
◆新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐことを目的とした人々の移動の制限や外出の自粛・制限を受け、企業の売り上げが落ち込んでいる。また、一部の製造業では部品の調達難から生産活動に支障が生じている。需要の減少により、生産を調整する企業も出てきている。
◆こうした企業の中には、財務内容が悪くなくてもキャッシュフローが途絶えることにより資金繰り難に陥り、経営が行き詰まる先が出てくる可能性がある。信用不安の高まりを防ぐ観点から、各国中央銀行・政府は企業の資金繰りを支援する対応を行っている。
◆米国、日本、欧州、英国を主な対象とし、中央銀行の施策を中心に、政府の政策対応と一部の金融規制の緩和等について、スキームの紹介と背景を述べる。
◆感染症問題の解決時期が見通せないため、企業金融支援はさらに必要になる可能性がある。社債買入れの規模拡大や、中小企業向け信用保証の拡充など信用リスクが高い企業向けの資金供給が追加の支援策として予想される。問題が長期化した場合は、財政等による企業の資本増強なども求められる可能性がでてくるだろう。
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