2026年05月20日
サマリー
◆金利上昇局面が終わり、米国の大手金融機関は預金・貸出の増加により銀行のバランスシートを拡大するだけでは業績向上や企業価値上昇が難しくなっており、ウェルスマネジメント部門の強さが企業価値の差の主な要因となっている。
◆米国の大手金融機関は、商業銀行を事業の中心においてアセット・ウェルスマネジメント(AWM)を手掛ける「商業銀行型AWMモデル」と、投資銀行を事業の中心においてAWMを手掛ける「投資銀行型AWMモデル」に区分できる。
◆商業銀行型AWM会社は、顧客の預金口座の資金の流れ(決済)を把握しながら、マス顧客を中心とした幅広い顧客をターゲットとした銀行業務を活用し、ウェルスマネジメントの将来的な見込み客をグリップすることに取り組んでいる。
◆その一方、投資銀行型AWM会社も、見込み顧客をグリップするために職域向けサービスとともに、バンキング機能を強化している。ただし、商業銀行型とは異なり、あくまで富裕層以上の顧客をターゲットとした“WM専門銀行”としての特性が強い。
◆特に、モルガン・スタンレー(MS)の銀行子会社は、“WM専門銀行”の特性が強く、さらに対面の物理的な支店を展開しないローコストオペレーションとなっており、グループ全体の収益の安定化にも寄与することで存在感を増している。
◆これによって、MSは、預金を含めた富裕層を中心としたWM顧客の資産全体に対する商品・サービスを効率的に提供でき、さらに使用資本を低く抑えた競争力の高いモデルを確立しているといえよう。
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