資産運用の入り口として普及するポイント投資の特徴と注意点

若い世代の金融経済教育への活用にも期待

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サマリー

◆20~30代の若い世代の投資未経験者や投資初心者を中心にポイント投資の利用者が増加している。日本でポイント投資が初めて登場したのは2016年12月であり、その後も、①サービス提供企業の増加、②利用できるポイントの種類の拡大、③投資可能な金融商品の拡充などを通じてこれまで多様化してきた。

◆現役投資家に対するアンケート調査結果や個別サービスの利用者数の動向を踏まえると、ポイント投資は、これまで順調に普及が進んできたと評価できる。現役投資家のポイント投資利用率の推移を年代別に確認すると、総じて若い世代ほど利用率が高い傾向にあり、投資の「入り口」として活用されている様子がうかがえる。

◆資産形成の実践まで見据えた金融リテラシーの向上を実現するためには、金融経済の「知識」と同時に投資の「経験」も重要となる。これまで、投資経験を疑似的に積むために、学習用ゲームが活用されてきた。今後は、金融経済教育から投資への懸け橋として、ポイント投資が活用される場面がこれまで以上に増えていくと期待される。

◆今後もポイント投資を利用する人は増えていき、ポイント投資サービスは多様化しながら拡大していくと見込まれる。こうした中、利用者は、少額であっても損失が生じる可能性や各種手数料負担の有無などに注意したい。また、投資に前のめりになりすぎず、今後の長い「資産形成の道」を一歩ずつ着実に進んでいくことが大切だと考える。

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