ISSBの「IFRS S1」(全般的要求事項)の具体的な内容

サステナビリティ情報開示のベースとなる基準

RSS

サマリー

◆2023年6月26日、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項(IFRS S1)」、「気候関連開示(IFRS S2)」を最終化した。

◆IFRS S1では投資家などに向けて意思決定に資する有用な情報の開示が求められる。開示事項としては、サステナビリティに関する「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」であるが、いずれについてもわが国の現行法での有価証券報告書よりも相当程度詳細な情報の開示が求められる。

◆また、SASBスタンダードの適用可能性の参照・検討を行う、一般目的財務報告の一部として開示を行うが他の報告書との相互参照も認められる、関連する財務諸表の開示と同時に同じ期間に係るサステナビリティ情報を開示する、測定の不確実性に関する情報を開示する、といったような要件も定められている。

◆わが国では、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)がIFRS S1、IFRS S2を踏まえ、日本版のサステナビリティ情報開示基準(日本版S1基準、日本版S2基準)の策定を進めている。日本版基準の将来的な適用に伴う、現行法よりも詳細な開示の要求や要件等の変更が予想されるため、さらに積極的な開示が期待される。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート