2018年02月23日
サマリー
◆企業パフォーマンスとの関係を分析するため、データが入手できた上場企業を対象に、2011年度から2015年度の離職者比率の水準の動向を調べたところ、以下の結果を得た。
◆各年度の離職者比率の平均値は、4.4%から4.5%の水準を推移しており、離職者比率は経時的にほぼ安定的に推移している。また、前年度に対する離職者比率の相関係数は0.7台で推移し、2011年度と2015年度の離職者比率の分布の形状は同様の特徴を持っている。離職者比率の水準は、個別企業ベースでもある程度経時的に安定的に推移しているようである。
◆企業規模別に離職者比率の平均的な水準を見ると、規模の大きい企業の方が離職者比率が低い。また、各セクターの離職者比率の平均的な水準を比較すると、セクターによって離職者比率の水準が異なるが、概ね経時的に安定的な推移をしている。
◆さらに、セクターをブレークダウンした業種別の離職者比率を見ると、同一セクター内の業種間である程度の差はあるものの、セクター別に見た離職者比率の水準の差はそれを構成する業種の離職率の特徴に起因しているようである。また、企業規模による離職者比率の水準の違いとセクターによる離職者比率の水準の違いを比較すると、後者の方が大きく、各社の離職者比率の水準は所属するセクターの違いによる影響が大きそうである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
離職者比率の水準と企業パフォーマンス(下)
~離職者比率が低い企業はROA、ROEが高く、投資パフォーマンスも高い~
2018年03月05日
-
ESGファクターと企業パフォーマンス(上)
~ESGファクターの組み合わせとROA、ROEの関係~
2017年05月25日
-
ESGファクターと企業パフォーマンス(中)
~ESGファクターの組み合わせと平均的リターン水準の関係~
2017年07月05日
-
ESGファクターと企業パフォーマンス(下)
~ESGファクターの組み合わせと時価総額加重平均リターンの関係~
2017年09月07日
-
日本企業の人材育成制度の導入状況と財務パフォーマンス(上)
~人材育成に関する制度の導入状況とその動向~
2017年12月20日
-
日本企業の人材育成制度の導入状況と財務パフォーマンス(下)
~人材育成に関する制度の導入状況とROA、ROEの関係~
2017年12月29日
-
人材育成制度の導入と離職者比率
~人材育成制度の導入企業は、離職者比率が低い傾向がある~
2018年01月24日
同じカテゴリの最新レポート
-
機械学習による有価証券報告書(2025年3月期)の人的資本開示の可視化
経営戦略と人事戦略の連動や、指標及び目標の設定に課題
2025年08月01日
-
サステナビリティWGの中間論点整理の公表
2027年3月期から順に有価証券報告書でのサステナビリティ開示拡充
2025年07月28日
-
カーボンクレジット市場の新たな規律と不確実性
VCMI登場後の市場と、企業に求められる戦略の頑健性
2025年07月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日