2018年01月18日
サマリー
◆住宅宿泊事業法では条例によって民泊の実施を規制することが可能となっている。国土交通省、厚生労働省が公表した「住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)」によると、「文教施設が立地していること、道路や公共交通の整備が十分に行われていないこと等」、「季節的な需要の極端な集中等」が条例による規制の勘案事項となり得るとしている。
◆またガイドラインでは「住宅宿泊事業に対して、事業の実施そのものを制限するような過度な制限を課すべきではない」との考え方も示されている。
◆東京都の新宿区と大田区ではすでに関連条例が成立している。前者は住居専用地域の曜日規制を取っているのに対し、後者は住居専用地域等で通年禁止としている。また、京都市では、住居専用地域では一部を除き3月から12月までを禁止する案が出されており、対応は様々である。
◆部屋を提供できる者が気軽に民泊事業を行えるというシェアリングエコノミーの視点を捉えた点に住宅宿泊事業法の価値があるとすれば、規制は必要最小限にとどめる必要があろう。行き過ぎた規制がなされてしまうと、法的根拠なしに宿泊サービスを提供してきた民泊事業者が、新法である住宅宿泊事業法にも基づかずに事業を行い続ける—いわば合法でない民泊が現実には広がってしまう—といった事態にもなりかねない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
自治体によるシェアリングエコノミーの活用
~新たな地域の課題解決策として普及なるか~
2018年02月09日
-
シェアリングエコノミーへの期待と課題
~日本経済の健全な成長に向けて~『大和総研調査季報』 2016年秋季号(Vol.24)掲載
2016年12月01日
-
注目の"民泊"制度を巡る考察(1)
~高まる民泊ニーズと制度設計について~
2016年01月25日
-
注目の"民泊"制度を巡る考察(2)
~民泊を巡る諸問題とシェアリングエコノミーを切り拓く新制度導入へ向けた今後の課題~
2016年02月01日
-
走り出す国家戦略特区"民泊"
~地域限定の“もうひとつの民泊”にみる民泊の制度設計~
2016年02月17日
-
民泊新法案が閣議決定
~旅館業法改正と合わせ、宿泊関連事業の制度はどうなるのか~
2017年03月15日
同じカテゴリの最新レポート
-
人的資本可視化指針改訂で期待される経営戦略と人材戦略の深化
期待される開示の負担軽減と比較可能性の向上
2026年01月23日
-
バイオマス発電の質による選別と高付加価値化への潮流
BECCS・国内資源活用という新たな方向性
2026年01月21日
-
SSBJ基準の適用範囲や保証制度の整備
サステナビリティ情報への保証の実施者は監査法人に限定されない
2026年01月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日

