2016年04月19日
サマリー
◆ESG要因として独立取締役の選任状況数を取り上げ、企業の収益性の代表的な指標であるROAとROE、そして株式リターンとの関係を分析したところ、次の結果を得た。
◆ROAとROEの平均的な水準は、独立取締役を選任していない企業よりも選任している企業の方が高い。また、独立取締役を1名のみ選任している企業と複数名選任している企業では、複数名選任している企業のROAとROEの水準が高い。
◆リターンについては、やはり独立取締役を選任している企業で構成したポートフォリオのリターンが選任していない企業で構成したポートフォリオのリターンよりも高い。さらに、独立取締役を1名選任している企業よりも複数名選任している企業で構成したポートフォリオのリターンが高い。
◆業種構成の相違によるリターンへの影響を検討するために、各ポートフォリオのリターンを業種要因リターンと企業要因リターンに分解したところ、独立取締役を選任していない企業のポートフォリオは企業要因リターンがマイナスとなった。一方、独立取締役を選任している企業の企業要因リターンはプラスで、独立取締役を1名選任している企業よりも複数名選任している企業の方が企業要因リターンの水準が高い。
◆以上の結果は、独立取締役の選任状況と企業パフォーマンスの因果関係を示すものではないが、投資プロセスに独立取締役の選任というESG要因を加えることが運用パフォーマンスの向上に寄与することを示唆する可能性があろう。
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