2025年10月31日
サマリー
◆2025年6月株主総会シーズン(※1)においても昨年と同様に、機関投資家による議決権行使基準の厳格化が進んでいる。特に、経営トップ選任議案においては「不祥事」「低ROE」「過大な政策保有株式の保有」といった主要な論点に対し、機関投資家の厳しい視線が集まっている。その結果、大手企業の経営トップの賛成率が80%を切る企業も珍しくない状況となっている。ただし、「不祥事」、「低ROE」や「過大な政策保有株式の保有」、に該当する企業に対する判断は、機関投資家の間でも分かれている。一部の機関投資家では、形式的な基準に該当する企業であっても、対話の内容や会社側の足元の取り組み等を踏まえ、賛成票を投じるケースが増えてきている。
◆2025年6月株主総会はアクティビスト投資家等による株主提案が過去最多となる111社に上り、うち7社で株主提案が可決された。一方で、株主提案の大部分では賛成率が20%未満にとどまっており、株主提案の「量」は増加しているものの一般株主の賛同は広がっていないのが現状である。この背景には、機関投資家等の一般株主による企業側の企業価値向上に向けた取り組みへの評価、株主提案者の当該株主提案に対する説明責任不足等があると考える。
◆2026年6月株主総会に向けた論点としては、「機関投資家の議決権行使基準の変更」、「企業行動の変革を促す対話・議決権行使の在り方」及び「アクティビスト投資家の活動」等が挙げられる。特に、「機関投資家の議決権行使基準の変更点」については、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」「女性取締役基準の厳格化」「独立社外取締役過半数」「取締役兼務社数の上限」等が焦点になることが想定される。2026年6月株主総会に向けては、CGコードの再改訂が予定されており、改訂に伴う議決権行使方針の変更等が注目される。
(※1)以下、本稿においては、「2024年7月総会から2025年6月総会までの1年間」を2025年6月株主総会シーズンとして記載する。
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