外為法審査による買収案件中止とその示唆

外為法に基づく投資審査制度と判断のポイント

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  • コーポレート・アドバイザリー部 コンサルタント 宮島 優一郎

サマリー

◆2026年4月、外資系PEファンドによる工作機械製造業の買収案件に対して、外為法に基づく史上2件目の中止勧告が行われた。

◆外為法の投資審査には①対象会社が営む事業に関する要素、②外国投資家の属性及び過去の行動等に関する要素、③外国投資家による対象会社への影響や関与の方法およびその程度に関する要素、の3つの観点があり、これらを総合的に勘案して審査が行われる。

◆また、審査において、投資自体は認めるが、投資家に対して国の安全等のリスクを軽減するための一定の条件(遵守事項)を課すことがある。しかし、本ディールは買収の中止以外ではリスクに十分に対処できないと判断された。当局が流出を懸念する機微情報の範囲には、特に防衛装備品関連のサプライチェーンにおいては、極めて広い範囲が含まれると考えられる。

◆昨今は、地政学リスク等が高まる中、経済安全保障に対する当局の関心が高まっており、規制強化の動きが出てきている。今後、外国投資家や外国籍ファンドが関与するストラクチャーを通じた本邦企業へのM&Aにあたっては、外為法に基づく投資審査をはじめ、経済安全保障の観点からの一層の配慮が求められる。平時から情報収集に努めるとともに、必要に応じて専門家を活用することが重要である。

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