2015年06月02日
サマリー
◆本稿は2015年5月13日に公表した「2015年2・3月株主総会の概要と示唆(概要)」の詳細版である。本年の株主総会は例年以上にコーポレートガバナンスに対して株主の注目を集めている。主要企業における2015年2・3月株主総会における株主の議決権行使状況を俯瞰したうえで、6月株主総会のポイントを整理していきたい。
◆2015年2・3月株主総会の特徴としては、社外取締役の選任が進み外形的なガバナンス体制が強化される一方で、一部の低ROE企業において経営トップの取締役選任議案の賛成率が大幅に低下している事例が散見されるようになった。背景には、議決権行使助言大手のISS社が本年2月以降の株主総会から経営トップの取締役選任議案に対して、いわゆるROE基準を採用する等、機関投資家が「ROE」に対して従来以上に注目している点がある。「外形的なガバナンス」だけでなく、「ROE等の実質性」も合わせて評価される局面になったと言えよう。
◆2015年6月株主総会への示唆としては、「ROE・株主還元」、「社外取締役」、「コーポレートガバナンス・コード」がキーワードとして挙げられよう。ROEについては6月株主総会(3月決算)を迎える主要企業のうち約15%(60社)が上記ISSの経営トップの取締役選任議案におけるROE基準に抵触すると見られる。そうした企業がROE向上に向けた施策についてどのように株主と対話をしていくのか注目されよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
グロース市場は「高い成長を目指す企業が集う市場」となり得るか
-「グロース市場の上場維持基準見直しとその対応等に関するアンケート調査(2026)」からの考察-
2026年03月23日
-
2025年6月株主総会シーズンの総括と示唆
株主提案数は過去最高を更新。一方で一般株主の賛同は限定的。
2025年10月31日
-
2025年6月株主総会に向けた論点整理
活発なアクティビスト投資家。株主提案数は過去最多を更新
2025年05月29日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 何故、わが国では潜在成長率が低迷しているのか?
高市政権は成長戦略を強化する方針だが、①労働、②資本、③TFP(全要素生産性)という3つの要素をバランス良く底上げする必要
2026年05月13日
-
AIが変える議決権行使助言業
中立性・客観性確保のための利用を訴求へ
2026年05月13日
-
2026年1-3月期GDP(1次速報)予測(改訂版)~前期比年率+2.9%に下方修正
直近公表の基礎統計を踏まえ、個人消費と外需をそれぞれ下方修正
2026年05月13日
-
ポピュリズム・スパイラルの経済学
中技能労働者の賃金低下が招く「悪循環」
2026年05月13日
-
愛される会社の企業価値
2026年05月13日

