2020年03月19日
サマリー
◆地方銀行(以下、地銀)は地盤とする地域に農村地域が多く、地元の活力維持、持続可能性向上のためにも農業の活性化に取り組んでいるところが多い。農業向けローンやビジネスマッチング等の銀行らしい取組みは多くの地銀で見られ、新たな投融資手法による取組みも進められている。さらに、子会社や提携などを通じて、生産や販売などアグリビジネスそのものへの取組みを進めている地銀もある。
◆農業向け貸出金残高における地銀のシェアは、2018年度末で約9%である。日本政策金融公庫資金や農業近代化資金の都道府県別残高から、都道府県別にどれだけ地銀が貸出金残高を増やせる余地があるかを単純試算した。都道府県によってばらつきはあるが、試算上は拡大余地があると言える。アグリビジネスへの取組み方によっては、さらに貸出金を増加させることも可能であろう。ただし、収益性の観点からは単純に貸出金拡大を図るということにはならないと思われる。
◆アグリビジネスが地銀経営の根幹になるとは考えないが、アグリビジネスへの取組みなどを通じて農業周辺産業を含む地盤地域を活性化させることが、地銀自身の持続性向上に資すると思われる。また、様々な支援を実施して農業生産者の収益性向上を図ることが、地銀自身の農業向け貸出金増加につながると考える。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
JAバンク再編の布石
農協の収益構造転換の方向性
2019年12月10日
-
農業金融と成長戦略
大規模化推進が資金需要増加へ
2018年10月04日
-
農業改革の進捗状況と農業金融
農業の企業化進展の兆し
2016年11月28日
-
金融の機能を農業に活かす
農業の復権に向けた金融の役割④
2014年10月24日
-
農業金融の都道府県別貸出額
農業の復権に向けた金融の役割③
2014年09月17日
-
農業政策変革の動きと農業政策金融
農業の復権に向けた金融の役割②
2014年07月23日
同じカテゴリの最新レポート
-
ふるさと納税の現況
地域経済の下支えと財政健全化の効果
2026年08月26日
-
最高路線価に読む立地の収益力
大都市圏への集中と、商業拠点から観光拠点への主役交代の兆し
2026年07月23日
-
資金繰り支援から企業価値向上支援へ
地域金融機関に求められる企業支援の在り方
2026年07月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

