2019年12月10日
サマリー
◆農協の信用事業(いわゆるJAバンク)の今後のあり方について、農業生産への支援強化や金融面の健全性などの観点から政府・行政側から問題提起があり、農協側でも検討が進められていた。検討の結果、現時点では現状の事業体制のまま経営基盤強化を図る方針の総合農協がほとんどである。
◆経済事業、JAバンク、共済事業の農協3大事業を運営する総合農協においては、信用事業・共済事業が他の事業を収益的に支えているところが多い。
◆今後の総合農協は、農地所有適格法人との取引拡大、各総合農協の地元の他の金融機関との連携などにより経済事業の収益改善を図ることが重要となろう。その際、信用事業は農林中金等に統合したうえで、経済事業との相乗効果を高める方向が考えられる。
◆今後、総合農協の収益構造の転換、農業の大規模化が進むと考えられる。大規模化した農業は従来よりも資金需要が拡大し、資金調達ルートや手法も変化すると推測される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
農業金融と成長戦略
大規模化推進が資金需要増加へ
2018年10月04日
-
農業改革の進捗状況と農業金融
農業の企業化進展の兆し
2016年11月28日
-
金融の機能を農業に活かす
農業の復権に向けた金融の役割④
2014年10月24日
-
農業金融の都道府県別貸出額
農業の復権に向けた金融の役割③
2014年09月17日
-
農業政策変革の動きと農業政策金融
農業の復権に向けた金融の役割②
2014年07月23日
-
農業と金融:戦後の概観<訂正版>
農業の復権に向けた金融の役割①
2014年07月17日
同じカテゴリの最新レポート
-
グロース市場改革を企業はどう捉えているか
投資家ニーズを汲み上げ、株価を意識的にデザインする必要性
2025年06月13日
-
上場後の高い成長を見据えたIPOの推進に求められるものとは
グロース市場改革の一環として、東証内のIPO連携会議で経営者向け情報発信を検討
2025年06月10日
-
成長と新陳代謝を促進するグロース市場改革
スタンダード市場への影響も注視
2025年05月12日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日