サマリー
日本は経済大国といわれるが、男女の経済社会的な性差が大きいという問題の解決に後れを取っている。背景には男性中心型労働慣行があり、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という固定的な性別役割分担意識が今なお多くの人々に根付いている。
25~44歳の女性の非労働力人口の割合は男性のそれの6倍超であり、さらに非労働力化している就業希望女性の6割は出産・育児・介護等を理由に求職していない。就業している女性も広い意味で不本意な非正規雇用の割合が高いとみられ、また、いわゆるM字カーブのくぼみは徐々に小さくなってきたが、必ずしも健全な状況ではない。女性の貧困問題という観点からも、女性が結婚や出産を機に労働市場から退出し希望通りに就労ができないという課題や、男女間賃金格差が非常に大きいという課題に引き続き取り組む必要がある。
ただ、最近では第4次男女共同参画基本計画の策定、女性活躍推進法の施行、税制や社会保障制度の見直し論議の高まりなど、これまでになかった抜本的な検討やアクションがなされつつある。これらの動きに合わせて人々の意識が変わり、女性雇用の構造が改善していくことを強く期待したい。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
企業の人手不足と女性活躍推進に向けた課題(下)
女性活躍推進に向けた業種別の課題
2016年12月30日
-
企業の人手不足と女性活躍推進に向けた課題(上)
企業の深刻な人手不足と女性雇用
2016年12月26日
-
企業における女性活躍の状況と取り巻く環境
女性の活躍推進企業データベースから見えるもの
2016年08月12日
同じカテゴリの最新レポート
-
女性特有の健康課題にどう向き合うか
~対応加速と国際標準化への備え~『大和総研調査季報』2026年新春号(Vol.61)掲載
2026年01月26日
-
2026年度の健康経営の注目点
企業価値向上と地域/国際社会への波及を目指す次のフェーズへ
2025年12月23日
-
健康経営の新たな戦略基盤
従業員多様化時代のウェルビーイングプラットフォームの可能性
2025年10月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

