サマリー
団塊世代が75歳以上となる大介護時代を迎え、それに伴う介護離職や働きながら介護をする人の増加が避けられない。人手不足感が高まる企業にとって、貴重な人材が介護のために離職したり、能力を十分に発揮できなくなったりすることは大きなリスクであり、対策が急務である。
仕事と介護の両立支援は「健康経営度調査」で問われるなど、積極的に取り組む企業が資本市場や労働市場で評価される仕組みも構築されてきた。人的資本経営を推進する企業にとって、両立支援の重要性が増している。
しかし、いくら企業が両立のための環境を整備しても、介護人材不足によって必要な介護サービスが確保されなければ、仕事と介護の両立の難しさは残る。この点、介護ロボットやICTを活用した生産性向上や、経営の協働化・大規模化による介護産業側での効率化が不可欠である。
そのうえで、企業には、①両立支援制度等の利用促進、②地域の介護資源につなげる支援、③従業員の介護予防、を通じて人的レジリエンスを高めることが求められる。適切な両立支援を行うことで、介護に伴う損失を低減し、さらに企業や経済の中長期的な成長につなげることも期待できるだろう。

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