平成の30年間、家計の税・社会保険料はどう変わってきたか

消費税よりも社会保険料の負担が増大

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2018年06月21日

サマリー

◆本レポートでは平成が始まる直前の1988年から直近の2017年までの間(以下、平成の間)、家計が負担する税・社会保険料がどのように変化してきたのか家計調査などをもとに振り返る。

◆「二人以上の勤労者世帯」(全国平均)が負担する税・社会保険料の勤め先収入に占める割合(以下、税・社会保険料負担率)は、平成の間に20.6%から25.7%に上昇した。その上昇幅5.1%ptのうちの4.2%ptは直近10年間(2007年~2017年)に生じている。また、上昇幅5.1%ptのうち4.7%ptは社会保険料負担の増加によるものであり、平成の間の家計負担増は、ほぼ社会保険料の増加によってもたらされたものと言える。

◆所得階級別の税・社会保険料負担率の変化を見ると、平成の間の上昇幅はより所得の低いグループほど大きかった。これは、直接税負担率が所得の高いグループで低下したが所得の低いグループでは上昇していたこと、および間接税負担率の上昇幅が所得の低いグループほど大きかったことによる。1988年時点ではある程度あった最下位グループと中位グループの税・社会保険料負担率の差が2017年時点ではほぼなくなっている。

※ 本レポートは、朝日新聞「平成経済第4部 老いる国 縮む社会」(2018年6月3日付朝刊1面・4面)に提供した試算をもとに再構成したものです。

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