サマリー
◆2011年から2020年までの制度改正による家計の実質可処分所得への影響について、最新の法令等をもとに試算を行い、「消費増税等の家計への影響試算」を改訂した。
◆「片働き4人世帯」の実質可処分所得に影響を与える2011年から2020年までの制度改正は、概ね4期に分けられる。①2011年から2012年にかけては子ども手当の支給額の減少や住民税の年少扶養控除の廃止など「定額の負担増」の影響が大きく、②2013年から2015年にかけては、消費税率の引上げや厚生年金保険料率の引上げなど「定率の負担増」の影響が大きかった。③2016年から2018年にかけては、給与所得控除の上限引下げや配偶者控除の所得制限など「高所得者の負担増」が行われ、④2019年から2020年にかけては再び消費税率の引上げにより「定率の負担増」が大きくなる。
◆これらを総合計した2011年から2020年までの変化を見ると、高所得の世帯(世帯年収1,500万円の世帯)と低所得の世帯(世帯年収300万円の世帯)における実質可処分所得の減少率が高く、その中間にあたる世帯(世帯年収500万円および1,000万円の世帯)においては相対的に実質可処分所得の減少率は抑えられていることが分かる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2012~2024年の家計実質可処分所得の推計
2024年は実質賃金増と定額減税で実質可処分所得が増加
2025年04月11日
-
「103万円の壁」与党修正案の家計とマクロ経済への影響試算(第5版)
所得税の課税最低限を160万円まで引き上げる与党修正案を分析
2025年03月19日
-
平成以降の家計の税・社会保険料負担の推移
『大和総研調査季報』2025年新春号(Vol.57)掲載
2025年01月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日