2015年12月24日
サマリー
◆上場会社によるコーポレートガバナンス・コードに基づく開示情報を記載した「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の提出が進んでいる。
◆東証1部上場会社による10月末までの提出分では、すべての原則を「コンプライ」しているとする会社は、38.2%であった。当初は、すべての原則を「コンプライ」しているとする会社が多数を占めていたが、秋以降、「エクスプレイン」を行う会社の割合も増加した。
◆もっとも、開示内容は、ほぼ同じであるにもかかわらず、一方は、「コンプライ」(としての開示)、他方は「エクスプレイン」(としての開示)という事例もある。その意味で、単純にコンプライ率のみを取り上げることは、ミスリーディングとなる危険性もある。
◆「エクスプレイン」の内容については、「コンプライ」のための対応を「実施予定」あるいは「検討中」とするもののほか、ほぼ「コンプライ」と同等の内容のもの、自社の個別状況を強調するもの、コーポレートガバナンス・コードの定める原則に対して反論するもの、なども見受けられた。
◆「コンプライ」としての開示については、(開示が求められる)いわゆる11の原則に加えて、任意で他の原則に関する自社の対応を説明している上場会社も、一部、存在している。中には、すべての原則について、説明を行っているものも存在している。
◆「エクスプレイン」としての開示、「コンプライ」としての開示、いずれについてもいえることだが、自社の対応を詳細に説明する上場会社がある一方、抽象的・表層的な説明にとどまるものもある。今後、「正確で利用者にとって分かりやすく、情報として有用性の高い」(基本原則3)開示が、徹底されることが望まれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
CGコード開示の動向③ 政策保有株式に関する方針等の現況
説明内容は依然不明瞭も、一歩前進 “Nothing will come of nothing” (※1)
2016年03月25日
-
CGコード開示の動向② 選任・指名の方針・手続等の現況
“So are they all, all honourable men—”
2016年02月05日
-
コーポレートガバナンス・コードの策定に伴う東証上場規程等の改正
2015年05月21日
-
コーポレートガバナンス・コードと金商法、会社法の論点①
コーポレートガバナンス・コード原案の概略
2015年01月15日
同じカテゴリの最新レポート
-
外為法の投資審査制度の見直しの動向
情報通信技術関連業種の一部を審査対象から除外する見込み
2026年07月16日
-
インターネット取引での適合性確保
金融審議会報告にて「今後検討を深めていくべき課題」と明記
2026年07月15日
-
日本での実質株主確認制度導入に向けた議論
会社法中間試案では2つの制度の導入を検討
2026年06月26日
最新のレポート・コラム
-
中間配当の導入は株価を動かすか
開示直後は好感されるも、効果のインパクトや持続力は弱い
2026年07月17日
-
経済産業省「公正な買収の在り方に関する研究会」による企業買収行動指針のポイント・Q&A(案)
指針の趣旨を明確化~「企業価値」や「望ましい買収」とは?~
2026年07月17日
-
「トランプ口座」始動、未来の株主多数輩出
口座開設、「収益獲得」ではなく「次世代投資家との接点」
2026年07月17日
-
データサイエンスを踏まえた年金数理理論の人的資本分析への発展可能性
新たな退職率算定方法による退職要因分析への応用
2026年07月17日
-
AI時代の競争力を生むのは誰か? ~シリコンバレーとシアトルが示す「人材エコシステム」の力~
2026年07月17日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

