ボルカー・ルール(自己勘定取引の禁止編)

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サマリー

◆2013年12月10日、米国の金融規制当局(FRB、CFTC、FDIC、OCC、SEC)は、共同でドッド・フランク法のボルカー・ルールに関する細目を定める規則を公表した。


◆規則は、ボルカー・ルールの下で、銀行等に対して禁止される自己勘定取引を、短期の転売などを目的とする「取引勘定」における金融商品の売買等に、当事者(principal)として関与することと定義している。また、銀行等による保有期間が60日未満の売買等については、その銀行等が反証できない限り、その金融商品の売買等は「取引勘定」として行われたものと推定するものとしている。


◆外国会社(例えば、日本の銀行など)による専ら米国外での活動は、原則、自己勘定取引禁止規制の対象とはならない。ただし、米国の銀行等の支配下にない、業務の大部分を米国外で行っている、自己売買の実行・決定を行う銀行等が米国内に所在しない、米国内に所在する支店・関係会社からファイナンスが提供されていないなどの要件を満たす必要がある。


◆そのほか、ボルカー・ルール遵守等のため、当局への報告、記録作成などの義務も課されている。


◆2011年の原案と比較すると、外国政府機関債等の売買についての例外措置が講じられた、外国銀行等が米国の法人との間で行う自己勘定取引について一定の要件の下で認められた、などの変更が行われている。


◆規則は、2014年4月1日から施行される。ただし、(銀行等による)遵守の期限は、2015年7月21日とされている。また、トレーディング資産・負債に関する報告義務については、銀行等の規模に応じた段階的な適用が予定されている。

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