2012年04月02日
サマリー
2011年8月、集団的消費者被害救済制度専門調査会は、消費者集合訴訟(日本版クラスアクション)の導入を提言した。12月には消費者庁が2012年通常国会への法案提出に向けた制度の「骨子」を取りまとめている。
現在の案は、米国の制度と比較して、原告適格が適格消費者団体に限られる、共通争点と個別争点に二段階に分けて審理される、消費者が参加するためにはオプト・インの手続が必要となる——などの特徴がある。
金融商品取引法との関連では、発行会社の有価証券報告書等の虚偽記載や業者の販売・勧誘規制違反などが対象となる可能性が当初指摘されていた。しかし、厳密に考えると、これらは個々の事案の個別性が強く、日本版クラスアクションの支配性の要件を、本来、満たさない案件であるように思われる。事実、「骨子」では金融商品取引法に基づく請求権は、原則、日本版クラスアクションの対象とはしない方針が示されている。
金融商品取引における投資者・消費者保護の取り組みは、一定の事案についての挙証責任の転換、金融ADRの創設、無登録業者による未公開有価証券の売付け等に対する民事ルールの整備などが進められてきた。まずは、これらの制度が適切に機能するように工夫することの方が先決だろう。
消費者、事業者の双方にとって納得性の高い制度の整備が求められる。

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