株主提案権制度の改正提言相次ぐ

議決権300個で株主提案ができる現行制度の改正を期待する声

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サマリー

◆経済産業省の研究会と関西経済連合会から、会社法改正の提案書が相次いで公表された。

◆それぞれ多くの事項の改正を提案しているが、ともに株主提案権制度を含んでいる。現行の会社法では、300個以上の議決権を有する者に株主提案権を付与しているが、この撤廃が要望されている。

◆株主提案権は、1981年商法改正によって創設されたが、当時から300個の要件に対しては、反対が強かった。近年の株式市場の規制変化によって、300個の議決権の価格は低下しており、株主提案が以前よりも容易にできるようになっている。

◆日本以上に株主提案が容易にできる米国では、全米の株主提案のおよそ3分の1を3人の個人投資家が出しており、濫用的な行使が疑われている。

◆しかし、300個要件の趣旨は、個人株主による株主提案を可能にすることにある。これを撤廃すると、個人株主による株主提案はほぼ不可能になるので、改正はかなり難しいのではないかと思える。

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