少額投資制度に漂う危惧感

単元株数が1株になると株主総会の政治化や株主提案権濫用の恐れ

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サマリー

◆東京証券取引所は、現在100株単位となっている、株式の売買単位を引き下げることを念頭に、新たな検討を秋から開始する。

◆現在の単元株制度は、1981年の商法改正によって創設された単位株制度を引き継ぐもので、当時の法改正は株主管理コストの増加抑制を主な目的としていたが、1株株主運動等への対処にも効果的であったと考えられる。

◆売買単位引き下げの検討では、1981年法改正時に問題化していた、株主管理コストや1株株主運動等への対処が40年以上ぶりに注目点となるだろう。

◆もっとも、少額資金で株式に投資するスキームとしては、すでにミニ株投資制度がある。売買単位の引き下げ以外にもミニ株投資制度の普及促進という方法も考えられる。

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