「トランプ・リスク」の楽観視は禁物

主張が実現した場合の影響は前回政権時よりも大きくなるおそれ

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2024年05月29日

サマリー

◆2024年11月の米大統領選に向けて、世論調査の支持率ではトランプ氏が優勢と伝えられている。それに伴い「トランプ・リスク」が話題となっている。仮に、関税引き上げや移民規制等に関する同氏の主張が実現する場合、米国の経済面の影響を試算すると最大でGDPが▲3.40%、インフレ率が+2.75%ptと大きなものになるおそれがある。

◆前回トランプ政権時の実績や、減税実施への期待などから、株式市場など一部には楽観ムードもみられる。しかし、今回主張されている対中輸入に60%、その他の全輸入品に10%の関税を賦課することの米国経済への影響は、前回政権での対中関税引き上げ時よりも大きくなると考えられ、決して楽観視はできないだろう。

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