2011年Q4の米国経済は高成長だが、内容が悪い
2011年は実質1.7%成長に
2012年01月30日
サマリー
◆2011年Q4の実質GDP成長率は前期比年率2.8%増となり、1年半ぶりの高成長となった。2011年Q1の0.4%増、Q2の1.3%増、Q3の1.8%増から順調に加速しているようにみえるが、Q4の最大の牽引役は企業の在庫変動である。Q3から加速した個人消費は自動車など耐久財支出の大幅増加が貢献したが、サービス支出の弱さが予想を下回った一因である。また、企業の設備投資は、非IT投資の鈍化や構築物投資の悪化を受けて大幅に減速し、この2年間では最低の伸び率にとどまった。政府支出は、州・地方政府の不振に加えて国防関連支出が減少したために、マイナス幅が拡大し最大の押し下げ要因である。前期から大きく加速した項目としては住宅投資が挙げられるが、経済全体に与えるインパクトは限定的である。このように、個人消費や設備投資など民間需要が牽引したQ3に比べると、Q4はみかけの数字よりも弱い内容といえよう。このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
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