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米経済見通し 2012~13年の下ブレ・上ブレ要因

住宅市場の急回復の蓋然性

2012年01月20日

経済調査部 シニアエコノミスト 近藤 智也

サマリー

◆米国経済は過去2年間、「年初は楽観的だが、春頃から減速感が強まり秋には二番底懸念が高まる。だが、年末にかけて景気回復とともにその懸念は後退する」というパターンを繰り返してきた。果たして2012年はどうであろうか。現時点での市場コンセンサスの2012~13年の見通しは、緩やかな回復が続くという想定であるが、3%超の成長が見込まれていた一年前と比べると、かなり慎重といえるだろう。

◆下ブレリスクとしては、年前半は海外要因である欧州問題が、年後半にかけては国内の政治動向が先行きの不透明さを増すことになろう。後者の場合、11月に選挙が控えているためにそもそも機動的な政策対応が期待できないなか、現行制度のままでは、ブッシュ減税の終了や強制的な歳出カットなど2013年に入って公的セクターが経済成長を抑制してしまう。早々に対応が決まればベストだが、ねじれ議会ではその実現は困難であり、選挙後の2ヶ月間にレームダック状態の大統領・議会が対処しなければいけないというケースも想定する必要があろう。

◆国内外の下ブレリスクがなかなか払拭できない状況では、上ブレシナリオは描きにくい。ただ、上ブレ要因になりうるとしたら住宅市場の急回復であろう。人口構成上、住宅に対する潜在需要があるなか、長期にわたる調整局面を経て漸く変化の兆しがみられ始めている。ただ、その動きを加速させるためには、Fedによる金利引き下げ努力だけでは不十分であろう。借りたい人・借り換えたい人が低金利の恩恵を享受できるような環境整備が求められている。

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