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日本経済見通し:2020年5月

産業連関表で読み解く「コロナ禍」-経済的打撃の網羅的整理と展望-

2020年05月22日

小林 俊介

経済調査部 エコノミスト 鈴木 雄大郎

サマリー

◆新型コロナウイルス感染拡大ペースの鈍化を受けた部分的な自粛解除により、日本経済の先行きに薄日が差し始めている。しかし回復速度は緩やかなものにとどまる公算が大きい。社会的距離の維持は今後も求められる。感染拡大の第二波、第三波への警戒も残る。当面は「コロナ以前」に比べて低い水準の経済活動と、産業の構造転換が続くとみるべきだろう。

◆水準低下の程度と特性を把握する上で有用な材料となる3月の経済統計を確認すると、家計消費は3%内外、企業活動は5%内外の減少を記録している。また、詳細を見ると外出関連商材の不振と在宅関連商材の堅調さ、あるいは都心エリアの不調とローカルエリアの好調が際立つ。同様の傾向は4月以降の高頻度データからも確認される。

◆無論、これはコロナ禍の「一次効果」にすぎない。この効果が中期的に継続するならば、その影響は関連産業や雇用所得を通じて乗数的に波及する。そこで本稿では産業連関表を用いて、二次効果も含めた経済への影響を網羅的に試算した。

◆3月時点での水準変化が長期に亘って継続した場合、年間のGDPは29.5兆円(▲5.4%)、雇用は▲291万人(▲4.2%)失われる計算だ。業種別に確認すると、対個人サービス、運輸・郵便、商業、輸送機械、対事業所サービス、飲料食品、生産用機械、業務用機械といった業種への打撃が顕著である。他方、電子部品、電気機械、医療・福祉等の業種では需要の増加が見込まれる。

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