サマリー
◆【3月の消費】3月は新型コロナウイルス感染拡大に伴う活動自粛により、需要側の家計調査、供給側の商業動態統計ともに消費が大幅に減少した。特に、旅行・娯楽関連や衣類などへの支出が落ち込んだ。他方、食料品や光熱費・水道代などの必需的な支出は在宅時間が長くなったことで増加した。今回の結果を受け、1-3月期のGDPベースの個人消費は前期比▲2.5%と、2四半期連続で減少したと予想する。
◆【4月以降の消費(個社データ・業界統計・POSデータ)】スーパーなど一部の業態では巣ごもり特需で売上が増加している一方、サービス関連・百貨店・アパレルの売上は大きく落ち込んでいる。なかでも都心を中心に店舗を展開する企業への影響が大きく、それと比較すると地方・郊外に店舗を展開する企業への影響は小幅に留まる。
◆【先行きの消費】新型コロナウイルスの感染収束の目途が立たない中、旅行・レジャー関連の消費を中心に当面は厳しい状況が続くだろう。収束後は緊急経済対策に盛り込まれた各種消費喚起策の効果が期待されるものの、雇用・所得環境の悪化が下押し要因となり、消費がコロナショック前の水準に戻るまでには相当な時間を要するだろう。
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