サマリー
- ①今後10年間の世界経済(P.2~)
世界経済の平均成長率は3.0%を見込む。米中対立の根本的な解消は困難だが、合意第1段階によって追加関税拡大のリスクが後退したことは朗報。また、低金利政策は当面続くとみられ、欧米経済は潜在成長率並みの成長が続こう。他方、中国経済は景気対策によって短期的には急減速は回避されつつも、中期的には成長率の鈍化傾向が続く公算が大きい。 - ②今後10年の日本経済(P.6~)
平均成長率を名目1.1%、実質0.7%と予測する。予測期間前半では、社会保障充実策・経済対策等により公需を中心に成長するものの、予測期間後半にかけては人口減少率の高まりを背景にやや減速する見通しだ。物価上昇率が1%で安定する後半には、日銀の金融政策の修正が進み、金利上昇を見込む。予測期間中は、緩やかな円高トレンドを想定。 - ③米中新冷戦下でのグローバルバリューチェーンの行方(P.15~)
グローバルバリューチェーンの拡大は世界経済にプラスの効果をもたらし、新興国の先進国に対するキャッチアップを促進してきた。これまで「世界の工場」として成長を続けてきた中国は製造業の高付加価値化を進めており、グローバルバリューチェーンの更なる効率化や、研究開発による技術力向上が、日本が競争力を維持のためには重要である。 - ④2020年代の成長戦略の課題(P.22~)
第二次安倍政権の発足以降の成長戦略のうち、2020年を達成時期としたKPIの現状は、海外や一部の労働市場関連でほぼ目標を達成する一方で、雇用制度や規制・生産性関連では達成が大幅に遅れている。2020年以降の課題として、政策の実効性担保・優先順位・整合性を重視することに加え、Society5.0時代に合わせた経済・社会制度の構築が必要だ。 - ⑤消費税率10%後の財政・社会保障見通し(P.27~)
国・地方のプライマリーバランス(PB)は2025年度で対GDP比▲3.0%の見込みであり、同年度のPB黒字化の達成は困難である。全世代型社会保障検討会議では、労働・年金・医療分野を中心に改革の具体的な方向性が示されたが、将来の給付と負担の姿を見通せなければ、全世代が安心できる社会保障制度を構築できない。目指すべき自助・共助・公助のバランスや、そのために必要な改革の規模などについて議論を進めるべきだ。
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