サマリー
◆2025年10月の生産指数は前月比+1.4%と2カ月連続で上昇し、コンセンサスを上回った。内訳を見ると、自動車工業や電気・情報通信機械工業などの増産が押し上げ要因となった。経済産業省は基調判断を「一進一退」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、当面の間、軟調な推移を見込む。米トランプ政権による高関税政策(トランプ関税)への企業の対応として、米国における販売価格の引き上げや現地生産の拡大などは輸出減少の原因となり、生産の下押し要因となる。また、米中景気下振れや日中関係悪化による対中輸出減少といった海外リスクにより、国内生産が押し下げられる懸念もある。
◆2025年12月5日に公表予定の10月分の景気動向指数は、先行CIが前月差+0.6ptの109.2、一致CIが同+0.4ptの115.0と予想する。この予測値に基づくと、10月の基調判断は機械的に「下げ止まり」に据え置かれる。
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