サマリー
◆2025年7月の生産指数は前月比▲1.6%と2カ月ぶりに低下し、コンセンサスを下回った。内訳を見ると、自動車工業や生産用機械工業などの減産が押し下げ要因となった。経済産業省は基調判断を「一進一退」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、軟調な推移が続くだろう。米トランプ政権による関税政策がもたらす悪影響には引き続き注意が必要だ。日米関税交渉は合意に達し、対日相互関税率は15%に設定された。事前に通知されていた25%の相互関税率と比べると、日本経済への悪影響は一定程度緩和された形となる。だが、海外経済の大幅な落ち込みや、米国における販売価格引き上げ、現地生産の増加など、リスク要因は残っている。関税政策を巡る国内外の動向や経済活動への影響を引き続き注視する必要があるだろう。
◆2025年9月5日公表予定の7月分の景気動向指数は、先行CIが前月差▲0.1ptの105.5、一致CIが同▲2.9ptの113.8と予想する。この予測値に基づくと、7月の基調判断は機械的に「下げ止まり」に据え置かれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2025年6月鉱工業生産
市場予想を大幅に上回る結果も、先行きは関税政策の悪影響に注意
2025年07月31日
-
2025年5月鉱工業生産
生産用機械工業などの増産で上昇も市場予想を大幅に下回る結果
2025年06月30日
-
2025年4月鉱工業生産
生産用機械工業などの減産で3カ月ぶりに低下
2025年05月30日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年9月全国消費者物価
政策要因でコアCPI上昇率拡大も物価の上昇基調には弱さが見られる
2025年10月24日
-
2025年9月貿易統計
トランプ関税の悪影響続くも、円安効果で輸出金額は5カ月ぶり増加
2025年10月22日
-
2025年8月機械受注
非製造業(船電除く)を中心に弱含み、政府は基調判断を下方修正
2025年10月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日

