確定申告しない株式譲渡所得等の後期高齢者医療制度の保険料等への反映

社会保障審議会医療保険部会が改正方針を示す

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2026年01月07日

サマリー

◆社会保障審議会医療保険部会は2025年12月25日に「議論の整理」を公表し、医療保険における金融所得の勘案を改正する方針を示した。

◆原則として、後期高齢者医療制度や国民健康保険の保険料は、年末調整や確定申告などにより地方自治体が得られる個人の課税所得の情報をもとに決定されている。金融所得のうち、「上場株式等の配当・利子・譲渡所得」については納税者が確定申告の有無を選択できる。納税者が確定申告を行った場合は保険料に勘案される一方、納税者が確定申告を行わない場合は保険料に勘案されないという違いがある。

◆「議論の整理」では、まず後期高齢者医療制度において、「上場株式等の配当・利子・譲渡所得」につき納税者の確定申告の有無にかかわらず勘案することとした。そのためには、新たに国と地方自治体等の情報連携の仕組みを構築する必要があり、制度施行は早ければ2029~2030年頃と想定される。

◆改正案が実施されても、「預貯金等・一般公社債等の利子所得」については、なお後期高齢者医療制度の保険料に勘案されない。より公平な保険料負担や、金融商品の選択の中立性の観点からは「預貯金等・一般公社債等の利子所得」についても後期高齢者医療制度の保険料に勘案する仕組みの構築が望まれる。

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