世界に広がる政府債務拡大の潮流と経済への影響

大規模経済圏を中心に政府債務対GDP比は閾値の98%超で財政拡張効果は今後一段と低下へ

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2025年10月06日

サマリー

◆本稿は、「財政運営の分岐点」シリーズレポートの第1弾(全3回)として、世界的に広がる財政拡張の動きと先行きの経済成長への示唆を見出す。

◆各国・地域の財政と経済の長期的な関係を整理したところ、政府債務残高対GDP比が98%を超えると、財政拡張が経済成長率を押し上げる効果は減衰する。また、1人あたり実質GDP成長率の要因である、「全要素生産性(TFP)」と「資本装備率」との関係を整理したところ、いずれの上昇率においても、閾値は政府債務対GDP比105%と試算される。

◆世界的な政府債務拡大は今後の財政政策の効果を減衰させるだけでなく、技術革新や資本蓄積のペースの鈍化を通じて世界経済の成長を抑制する可能性があることには注意が必要だ。

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