サマリー
◆2024年12月の生産指数は前月比+0.3%と、コンセンサス(同+0.1%、Bloomberg調査)を上回り2カ月ぶりに上昇した。ただし業種別に見ると、上昇した業種は生産用機械工業や電子部品・デバイス工業など5業種のみにとどまった。経済産業省は基調判断を「一進一退」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、横ばい圏で推移するとみている。当面の押し上げ要因は、シリコンサイクル(世界半導体市場に見られる循環)の回復を背景とした半導体関連財の増産だ。ただし、中国での半導体製造装置需要が一服し、日本からの輸出管理規制が強化されれば、日本国内の生産が下振れする可能性がある。また、米欧での緩やかな景気減速を背景に輸出が伸び悩み、日本の生産の下押し要因となる可能性にも注意が必要だ。
◆2025年2月7日公表予定の24年12月分の景気動向指数は、先行CIが前月差+0.5ptの108.0、一致CIが同+1.1ptの116.5と予想する。この予測値に基づくと、24年12月の基調判断は機械的に「下げ止まり」に据え置かれる。
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