サマリー
◆2024年9月の生産指数は前月比+1.4%と、コンセンサス(同+0.8%、Bloomberg調査)を上回り2カ月ぶりに上昇した。認証不正問題や、8月下旬の台風による工場稼働停止の影響が一巡し、生産体制が正常化したことで、自動車工業や関連業種が持ち直した。経済産業省は基調判断を「一進一退」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、緩やかに上昇するとみている。自動車の生産体制正常化で受注残に対応するための挽回生産が見込まれる。また、シリコンサイクル(世界の半導体市場に見られる循環)の回復で、半導体関連財の増産も押し上げ要因となる。ただし、日本で輸出管理規制が強化されれば、中国向けの半導体製造装置などの販売額が落ち込み、日本の生産指数が下押しされるリスクには注意が必要だ。
◆2024年11月8日に公表予定の9月分の景気動向指数は先行CIが前月差+2.7ptの109.6、一致CIが同+1.7ptの115.7と予想する。この予測値に基づくと、9月の基調判断は機械的に「下げ止まり」に据え置かれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2024年8月鉱工業生産
台風による工場稼働停止の影響もあり自動車工業などが低下
2024年09月30日
-
2024年7月鉱工業生産
半導体関連財が堅調、大型案件も押し上げ要因
2024年08月30日
-
2024年6月鉱工業生産
自動車や半導体関連財などが減産し、生産指数は全業種で低下
2024年07月31日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年10月消費統計
サービスや耐久財が弱く、総じて見れば前月から減少
2025年12月05日
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
消費データブック(2025/12/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年12月02日

