サマリー
◆2022年4月1日に公表予定の3月日銀短観において、大企業製造業の業況判断DI(最近)は+11%pt(新ベースにおける前回調査からの変化幅:▲6%pt)、大企業非製造業では+3%pt(同:▲7%pt)を予想する。大企業製造業に関しては半導体不足や原材料価格の高騰による収益環境の悪化が、大企業非製造業に関してはまん延防止等重点措置の実施による経済社会活動の抑制が業況判断DIを押し下げるだろう。
◆大企業製造業の内訳を見ると、「自動車」の業況判断DIが低下すると予想する。半導体不足による生産抑制が長期化していることが業況判断DIを押し下げるとみられる。さらに「自動車」における減産は、「金属製品」、「鉄鋼」、「化学」といった関連業種にも悪影響を及ぼしているとみられ、原材料価格の高騰と併せて収益環境の悪化をもたらしている。
◆2022年度の設備投資計画(全規模全産業、含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は、前年度比▲1.0%を予想する。3月調査においては企業が翌年度の設備投資計画を控えめに回答するという統計上のクセがある。このため、今回調査では前年割れを予想するが、最終的には(2023年6月調査における2022年度実績値では)同プラス圏での着地を見込む。新型コロナウイルス感染が収束に向かい、経済活動をより高い水準で維持できることへの期待感が企業の設備投資行動を活性化させるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
-
2025年3月鉱工業生産
自動車工業や電気・情報通信機械工業など10業種が前月から低下
2025年04月30日
-
急速に広がる資格情報等のデジタル化
利用時に気をつけるポイントと求められるデジタルリテラシー
2025年04月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日