サマリー
◆「ワンヘルス(One Health)」は、人間と動物、生態系の健康を一体として捉える考え方である。人と動物に共通する感染症は人獣共通感染症と言われ、昨今の新型コロナウイルスによるものもこの一つと考えられているが、このような深刻な感染症に限らず、動物に由来する感染症の発生を全体として減らすためにも、人間だけでなく動物や生態系の健康を一体として取り組むことが重要である。
◆ワンヘルスに向けた取り組みは医師、獣医師といった医療の専門家だけが行うものではない。福岡県では「福岡県ワンヘルス推進基本条例」を制定したほか、国際自然保護連合日本委員会等の12団体からは「人と動物、生態系の健康はひとつ~ワンヘルス共同宣言」が出されている。
◆自らが感染症にかからないためには、身近なペットや家畜が健康で、病原体の宿主となり得る野生動物の居場所を奪うような環境破壊を行わないことが大切、というワンヘルスのロジックは一般市民にもわかりやすい。このことから、「ワンヘルス」は意外に早く人々に浸透し、早期の具体的な動きにつながることもあり得るのではなかろうか。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
なぜ今、ヴィーガン(ベジタリアン)なのか
~重要な示唆は価値観の変化による行動変化~
2021年02月03日
-
キャンプ×シェアで地方創生
~空いている土地をキャンプサイトに!~
2020年12月28日
-
プレジャーボートのシェアリングエコノミー
~ボートシェアで海に親しみ、海洋の諸課題に対してより関心を~
2020年10月29日
-
シェアリングエコノミー活用事例集に見る「防災」シェア
~地域コミュニティを代替し、広域で「共助」の体制を構築~
2020年05月26日
-
新型コロナウイルス感染拡大はシェアリングエコノミーに逆風か
~オンラインによるシェアで接触回避も~
2020年04月15日
-
サーキュラーエコノミーとシェアリングエコノミー
~廃棄ゼロの経済活動ループにより変化するビジネス~
2019年11月26日
同じカテゴリの最新レポート
-
消費データブック(2025/9/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年09月02日
-
2025年4-6月期法人企業統計と2次QE予測
トランプ関税等の影響で製造業は減益継続/2次QEはGDPの上方修正へ
2025年09月01日
-
フィジカルAIの進展で注目の人型ロボット
日本はロボット技術の優位性を武器にAI分野で存在感を示せるか
2025年09月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日